女性の労働人口増加
厚生労働省から「令和6年版働く女性の実情」が公表されました。令和5年に比べて女性の労働人口は33万人増加し、3,157万人となっています。割合で見ても、労働人口総数の45.4%を女性が占めています。かつて、女性の年齢階級別の労働力をグラフにすると、若年期に高く、20代後半から30代前半にかけて結婚や出産で大きく低下し、その後子育てが一段落すると再び上昇するという「M字型」を描いていました。しかし近年は、全体的に労働力率が高い状態が続く「台形」に近い形となっています。これは、政府による育児休業制度などの整備や、深刻な人手不足を背景に企業が時短勤務やテレワークなどの両立支援策を強化してきたことが要因として考えられます。また、女性自身もキャリア形成や経済的安定のため、働き続けたいと考える人が増えています。
一方で、「育児や家事は女性が担うもの」という意識や、子どもを預ける施設の不足により、退職を余儀なくされたり、正規雇用から非正規雇用へ転換せざるを得ない女性も依然として少なくありません。
日本初の女性の総理大臣が今年誕生したように、今後も働く女性はさらに増えていくと見込まれます。男女問わず誰もが仕事と家庭を両立しながら安心して働き続けられる社会を実現するためには、政府や企業だけでなく、社会全体で環境整備と意識改革を進めていく必要があるでしょう。
2025年11月21日 12:50