ボーナスの給与化
最近、最低賃金の引き上げや、新卒者の初任給の上昇が話題になっていますが、その打開策として「ボーナスの給与化」を進めている会社があります。これは、今までボーナスとして支給されていた分を12分割して、毎月の給与に上乗せするといった制度です。この制度を導入した企業は、ボーナスが年1回に減りましたが、新卒者の初任給が前年に比べて5万円近くアップしたそうです。
この「ボーナスの給与化」は、毎月安定した収入が見込まれるため、社員にとって生活設計が立てやすくなります。一方、企業側としても、月給額が高く見えることで採用面でのアピールにつながったり、賞与の支払い時に発生する手間やコストを削減したりすることができます。
しかし、ボーナスというまとまった臨時収入がなくなることで、社員は自ら貯蓄や資金計画を立てる必要が出てきますし、企業側も業績に応じて支給額を調整できていたボーナスと違い、給与化してしまうと簡単に下げることができず、業績の変動に対応しづらくなります。さらに基本給が上がることで、残業手当などの人件費が増加する可能性があることにも注意が必要です。
このように「ボーナスの給与化」には、メリットとデメリットが存在します。導入にあたっては、社員と企業双方の影響を慎重に検討し、自社に合った制度にすることが求められます。
2025年08月07日 12:58