人手不足倒産
民間の調査会社が行った調査によると、2024年度の人手不足による倒産は、2年連続で過去最多件数だったそうです。業種は建設業が最も多く、次に物流業となっているところを見ると、2024年にこの業種の残業時間の上限が規制されたことで、人手不足に拍車がかかったことが原因のようです。
また、原材料費や輸送コストなどを価格に転嫁できず、賃上げができなかったため、退職者をつなぎとめることができなかった会社も多く、大企業と中小企業との格差がますます進んでいます。
長引く物価高に対し、従業員としても生活を維持していくために、賃上げを要求するのは当然のことでしょう。それに応えるため、それぞれの企業の努力はもちろん必要ですが、業績が好調な大企業は、支えてくれる中小企業を大切にしなければ、いずれ自社の首を絞めることになりかねないとの意識を持ち、コストが上がった分を価格等に上乗せされることを認める必要がありますし、同時に私たち消費者も、価格が上がることは仕方がないことだと受け入れる必要もあります。
従業員は会社にとって大事な人材であり、まだまだ人にしかできない業務もたくさんあります。賃金だけではなく、労働時間などの従業員が働きやすい環境を整えることも大切でしょう。そのようなお手伝いを、社労士もしていきたいと思っています。
2025年04月22日 12:52