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地震に伴う休業

厚生労働省は、1月1日に起きた能登半島地震のような自然災害で被害を受けた場合の休業に関するQ&Aを、ホームページに掲載しています。
 
自然災害によって、施設・設備が直接被害を受け、事業を再開できずに社員を休業させた場合は、「使用者の責に帰すべき事由」つまり、「会社側の都合」による休業には当たらないため、社員に対し休業手当(平均賃金の60%以上)の支払い義務はないことになります。
しかし、直接的な被害を受けなかったが、取引先や鉄道・道路が被害を受けたため、休業した場合は、原則として、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当することになり、休業手当の支払い義務が生じます。
ただし、休業について、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること
②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
この2つの要件を満たす場合、例外的に「使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しない」となることがあります。特に②については、取引先への依存度や、他の代替案があったかどうか、また災害が発生してからの期間など、使用者として休業を回避するために最大限の努力を行ったかなどを総合的にみて判断されます。
 
しかし、例え義務がなかったとしても、被災した社員の経済的負担を少しでも減らすため、使用者には給与を支払うための努力が求められます。また、国も労働者の雇用を守るために、能登半島地震に対する雇用調整助成金の特例措置を設けています。
雇用保険の適用を受けている事業所は、一度どのような助成が受けられるかを確認してみてはいかがでしょうか。
 
ホームページには、その他災害時に労働者に対して使用者が守らなければならない事項についての一般的な考え方が記載されています。
ただし、法令上の義務については、事案によってケースバイケースであるため、具体的な相談については、お近くの労働局または、労働基準監督署にお問い合わせください。
2024年01月30日 12:42

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