ゆるい職場をやめる若者
新入社員の離職理由には、仕事のミスマッチや望まない人間関係、休みが少ないなどの職場環境が悪い等ありますが、最近よく聞くようになったのが、「職場がゆるすぎる」の理由です。大手企業に多いのですが、残業がなく、仕事量も多くなく、上司から怒られることがないといった普通なら喜ばしい職場環境に不安を感じてやめる社員がいるそうです。
2018年に「働き方改革関連法」が成立したことによって、現在の職場環境は急激に変わりました。時間外労働に上限が設けられ、過労死ラインに関しても細かく基準が定められました。また、2022年にはパワハラ防止法が施行されています。こういった法改正により、守らない企業は「ブラック企業」と呼ばれるようになったため、新入社員を含む若手の社員に対して上司は気を遣い、きつい仕事を振ることができない傾向になっています。
しかし、現代の企業は、終身雇用や年功序列が確約されていないため、若者はキャリアアップをしないまま、この「ゆるい職場」に在籍していると、この会社でしか働くことができなくなるのではないかといった危機感を持ちます。
このため、「ゆるい職場」を理由に離職してしまう新入社員が増えているようです。
これを防ぐためには、「このプロジェクトに携わり、こういった成果を出しました」と言ったような自分の成長を実感できる仕事を与え、適切に教育していくしかないのですが、ひとりひとりに合わせた丁度いい仕事の質や量を与えるのはかなり難しいでしょう。それでも優秀な若手社員に離職されないためは、この会社にいれば、心理的にも経済的にも安定し、キャリアアップすることができると思ってもらえるよう、企業側も努力するしか方法はないようです。
2023年12月12日 12:43