勤務間インターバル制度
「勤務間インターバル制度」とは、終業時間から次の始業時間までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みのことをいいます。この仕組みを導入することで、従業員の十分な生活時間や睡眠時間を確保し、従業員の健康を守り、生産性を向上させることを目的としています。
すでにEUでは、11時間連続して休息を確保することが義務化されていますが、日本での導入は現在、努力義務となっています。また、国が推奨するインターバルの長さは、9~11時間と幅を持たせていますが、これは、確定的に時間を決めてしまうと、現実と規程が乖離し、形骸化してしまうおそれがあるためです。今後、数年かけて改正していく必要があるとしています。
この制度を導入するにあたり、注意しなければならないことは、前日の終業時間が遅くなった場合、インターバルを11時間空けると、次の日の始業時間を通常より繰り下げなければいけなくなるということです。
例えば、8時が本来の出社時間であっても、前日に22時まで残業すれば、11時間後の9時の出社となります。つまり、個々によって始業時間が違ってきてしまうということです。
このことから、従業員は常に、終業時間を業務量から逆算して考え、仕事を進めるといった意識が必要になります。
実際、導入した企業では、社員が定時で仕事を切り上げる意識が高くなり、時間外労働が減ったという報告もあります。
また、国からの支援として、勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業事業主のために、「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」も用意されています。
今後、努力義務から義務化される可能性が高いため、今のうちに導入を進める方向で見直しを図ることも必要になってくるかもしれません。
2022年12月20日 12:52