トラック運転手の高齢化
全日本トラック協会がまとめたデータによると、令和3年の「事業者用貨物自動車交通事故の発生状況」の死傷事故は9415件で、過去10年間で51.7%減少しているそうです。年齢別でみると、最も死傷事故件数が多いのが、50~54歳で1661件でした。
10年前の平成24年~27年に最も多かったのは40~44歳で、5年前の平成28年~令和2年は45~49歳となっています。このことからドライバーの年齢層が全体的に高くなってきていることが推測できます。
現在、ネットによる買い物などにより、物流量が増えているにもかかわらず、深刻なドライバー不足が懸念されている運輸業界には、この高齢ドライバーの存在が不可欠となりつつあります。しかし、高齢になれば、どうしても体力・集中力などが全体的に落ちてしまうのも否定できません。
そこで、ドライバーの高齢化を想定した対策が必要になります。
普通の自動車を運転するよりも難しいトラックの運転を、万全の体調で臨むためにも、無理な運行スケジュールを組まず、長時間拘束した場合は、8時間以上のインターバルをしっかりと取るなどの配慮をしなければなりません。
また、健康診断や運転適性の診断などを定期的に行い、常に高齢ドライバーに対する事故防止の対策を講じることも必要でしょう。
同時に人の力だけではなく、車両管理システムやドラレコなどのデジタルの力を活用するのもひとつの手かもしれません。
そして、ドライバー自身も自分の運転を過信せず、「車間距離を十分に取る」・「バック時の確認を怠らない」・「漫然と運転しない」等、プロとしての意識を高く持ち、安全運転に気を付けるよう心掛けなければならないでしょう。
人手不足のトラック業界にとって、高齢ドライバーの活躍が、今後の事業の発展・存続のカギとなっていくかもしれません。
2022年11月08日 11:23