最低賃金 31円引き上げ
円安やロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高を受け、厚生労働省の審議会は8月1日、今年度の最低賃金を全国平均で、31円引き上げることを決めました。この額は、現在の方式になった2002年から最大の増加幅で、目安通りに引き上げられると、全国平均で時給が961円となり、今年の10月ごろから適用される予定です。
目安額は、地域ごとにA~Dの4ランクに分けられ、東京など6都府県「A」と、京都など11府県「B」は31円、福岡や石川など14道県「C」と、鳥取など16県「D」は30円の引き上げとなります。
ただ、日本商工会議所の会頭のコメントにあるように、「企業物価の高騰を十分に価格転嫁出来ていない企業にとっては、非常に厳しい結果」であることも事実で、人件費を抑える為に雇止めを行う企業も出てくる可能性もあります。このため、中小企業への支援予算の確保など、賃上げの為の環境整備も必要であると理解を求めました。
また、パート社員などの中には、時給が上がっても働く時間を減らすなどして、扶養内に収めようする方も少なからずいるでしょうから、結局収入が増えない可能性もあります。
最低賃金を引き上げて終わりといった対策だけではなく、扶養の上限を上げる、所得税の見直しを図るなどといった他の対策も連動して行い、国民全体の暮らしを豊かにするような施策を政府にはお願いしたいものです。
2022年08月02日 12:43