カスタマーハラスメント
今年の4月から、いわゆる「パワーハラスメント防止措置」が中小企業にも義務化されますが、ハラスメントは他にも色々種類があります。その中のひとつに、最近問題になっている「カスタマーハラスメント」というものがあります。
「カスタマーハラスメント」(略して「カスハラ」)とは、顧客や取引先である立場の優位性を盾にして、悪質な嫌がらせやいじめに近いクレームや、理不尽な要求を一方的に行う行為の事です。
本来のクレームはどちらかと言えば、サービスや品質の向上を目的としたものが多く、企業側としても真摯に受け止め、改善に役立てることも多いのですが、カスハラは単なる鬱憤晴らしの意味あいが強く、品質向上のためのクレームとは大きく違います。
カスハラでは、従業員が長時間拘束され、暴言や脅迫に耐え続けなければいけないといった状況が多くみられ、これは従業員に大きなストレスや精神的な苦痛を感じさせると同時に、通常の業務に支障が出るなどの、企業側にも多大な損失を招くことになるため、企業は何らかの措置を講じなければならなくなります。
そこで厚生労働省は、2月に「カスタマーハラスメントマニュアル」を作成し、ホームページに掲載しました。ここには、カスハラの判断基準や具体的な対策などが記載されています。
企業には、カスハラに苦しむ従業員が相談しやすい環境を整え、適切に対応するための体制づくりや、被害を未然に防止するための取り組みを行う必要があること、そして何よりも「カスタマーハラスメント」に対する理解を深めるために利用して欲しいと思います。
2022年03月15日 12:50