「シフト制」
厚生労働省より、『いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項』が出されました。ここで言う「シフト制」とは、交代制の勤務形態の事ですが、24時間営業などの稼働時間が長い業種が多いようです。代表的な職種としては、飲食業やホテル・コンビニ、製造業等ですが、緊急事態に備えて待機されている消防士や警察官、医療機関のようないわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれている方たちも多くいます。
「シフト制」で働いている方は、生活リズムが不規則となったり、拘束される時間が長くなったりするため、体調を崩しやすく、使用者側が注意しないと労災事故に繋がる可能性が高いなどの注意点がありますが、デメリットばかりでもありません。
使用者・労働者双方が柔軟に勤務時間を設定できるため、労働者側は土日祝日を避けて休日を取得したり、混雑する時間帯に通勤しなくてもいいなど、自分の時間を有効に使うことができますし、使用側は忙しい時間帯に人を増やすなど、その職種に合った人員を配置することができます。
また、深夜手当などの割増賃金により給料が高くなりやすく、給与を重視している人にはメリットになります。
しかし、その一方で、シフト管理が難しいため、給与の支払いや就業時間のミスが生じやすく、締結した契約が守られなかったり、使用者の都合により労働日がほとんど設定されない、または、反対に労働者の希望を超える労働日が設定されたりするなど、トラブルに発展する事案が多く発生するため、厚生労働者は2022年1月に上記の留意事項を作成しました。
使用者用・労働者用の両方用意されており、始業・終業時間や休日など必ず明示しなければいけない労働契約や就業規則の注意点、シフト制ならではの守るべき事項や、簡易チェックリストなども掲載されていますので、「シフト制」を採用している職場の方は、一度目を通しておくと不要なトラブルを避けることができるかもしれません。
2022年02月01日 12:33