雇用保険 2.2兆円追加投入
コロナ禍による失業者増を防ぐための「雇用調整助成金」の支払いが、5兆円近くに膨らみ財源が底をつくため、政府は雇用保険の追加財源として、2.2兆円を投じる予定です。現在も雇用調整助成金は月2千億円の支出が続いているため、1月からは業績悪化の証明書類の提出を2回目以降も求めて、業績が回復した企業が支給を受けないように対応したり、休業1日当たりの上限を段階的に引き下げることを決めています。
雇用調整助成金の本来の目的は、コロナの影響により事業の縮小を余儀なくされた事業主に、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成するためであり、本当に回復が厳しい会社へ支給するためのものです。
コロナが流行り出した時点ではスピードが大切でしたが、落ち着いた現在では支給を制限するため、上記のように基準を見直す必要があるのでしょう。
元々雇用保険とは、育児や介護などで働けなくなった労働者や失業した人の生活の安定と再就職の支援を図るために、一定の条件で働く労働者が加入して支え合っている社会保険です。
財源が枯渇すれば、すべての労働者が困ることとなりますし、不正受給が判明した場合、様々なペナルティが科せられ、最終的には会社やその従業員に重大な影響を与えることになりますので、適正な申請が求められます。
政府は、来年10月より失業手当などに充てる雇用保険料率を引き上げる方向で最終調整に入りました。
これにより、更なる財源の確保を目指す予定です。
2021年12月21日 12:25