給与のキャッシュレス化
給与のデジタル払いとは、従業員の給与を銀行口座や現金で直接支払うのではなく、「PayPay」や「ラインペイ」などの資金移動業者のアカウントに支払うことを言います。厚生労働省が中心となって実現化に向けて検討しているとのことですが、これは政府のデジタル化を進めていきたいという思いが背景にあり、2021年に創設された「デジタル庁」により、マイナンバーカードの普及や脱ハンコなどの政策が進められるのと同時に、給与のキャッシュレス化もその政策の柱の一つとしていくようです。
メリットとしては、給与を銀行のATMから出金する手間や、デジタル通貨へチャージする手間が省けること、また、銀行の口座を作ることが難しい外国人労働者への給与支払いが簡単になることなどが挙げられています。
デメリットは、資金移動業者の不具合や破綻により使用できなくなること、セキュリティーや換金性の問題、利用したい店舗の全てで使えるわけではないことなど、課題も多くあります。
実は「労働基準法」では、給与は「現金で手渡し」が原則となっていますが、相互に合意があれば銀行口座に振込むことが例外として認められています。
デジタル払いはもう一つの例外として、希望者に限り認められることになるのでしょう。給与の支払い方も、月1回から週1回や10日ごととなる可能性もあります。
日本は諸外国に比べて、キャッシュレス化が遅れていると言われていますが、これらがもっと進んでいけば、この先デジタル払いを望む人も増えていくかもしれません。
2021年12月07日 12:15